『08th Euro-ELSO 2019 in Barcelona』に参加しました。

『08th Euro-ELSO 2019 in Barcelona』に参加しました。



皆様、初めまして。心臓血管内科の佐々木です。この度4月にスペインはバルセロナで行われた欧州ECMO学会(EuroELSO)に参加しましたのでご報告します。

ECMO(エクモ)とは心臓や肺が弱った患者さんのサポートをする人工臓器で、心臓を補助するV-A ECMOと肺を補助するV-V ECMOに主に分けられます。EuroELSOはECMOの学会として最大規模であり、欧州のみでなくアジアや米国からの参加者も多く活気があります。

当院の救急科・集中治療科の先生方も時折参加していますが、

今回当院からの参加者は私一人でした。。。留学経験はあるものの今回が国際学会デビューであり、緊張しながら単身学会場へ臨みました。
学会場正面

学会場目の前にあるマジカ噴水
V-A ECMOやV-V ECMO、成人や小児などテーマは分かれており、私は成人の心臓に関わる発表を中心に聞いていました。ECMOと他の循環補助装置となるIABPやImpella、Tandem Heartなどとの組み合わせ・比較に関する発表や、他国における心停止患者さんへのECMOを用いたE-CPRなどに関するセッションが特に興味深いものでした。例えばフランスのパリにおいては院外心停止患者に対してPre-hospitalでECMOをその場(地下鉄構内や美術館など)で導入したりします(初めて知った時は驚愕しました)。

私は2日目に「当院における急性心筋炎に対するV-A ECMO経験」に関するポスター発表をしてきました。
デジタルポスターのため身軽に学会場へ向かえました

当初口頭発表はなく質疑応答のみと事前に連絡されていましたが、いざセッションが始まるとなんと口頭発表をする流れに。。。想定外のことに慌てましたが、何とか聴衆の方には私の拙い英語は通じているようでした。ポスターセッションの間は聴衆はワインやビールを片手に聴くなど日本の学会に比べてゆるーい雰囲気が印象的です。
発表後は英国のECMOセンター Royal Papworth HospitalのDr. Alain Vuylstekeなど英国留学時代にお世話になった方々と約1年ぶりの再会を果たしました。

学会参加は3日間で割とまじめに聴講していましたが、この時期の欧州は日照時間が長く、合間でそれなりにバルセロナ市内の観光もできました。
ご存じサグラダファミリア
2009年まで実際に使われていたサン・パウ病院
一人寂しく美味しく頂いたパエリア
今回のEuroELSOはECMOに関する近況や当院よりも多数の症例をこなす他施設の方法など集中的に勉強する非常に良い機会となり、今後の当院のECMOサービスをより良いものにしようというモチベーションがさらに向上しました。日本においては現時点では同様の規模のECMOの学会はなく、今後も機会があれば参加していきたいと思います。

最後になりましたが今回の学会参加を許して下さった関係各所の皆様には厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

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